臨床試験の結果Study Result

EUPHRATES
Trial

RCT
EUPHRATES Trial
資料請求先
[実施施設]
米国、カナダの55施設
[試験デザイン]
前向き多施設共同二重盲検無作為化割付試験
  • 比較群:通常治療を実施
  • PMX群:通常治療に加え、2時間2回のPMX治療を実施
[対象患者]
以下の全ての基準に合致する18歳以上の敗血症性ショック患者
  • 昇圧剤投与を必要とする敗血症性ショック
  • 新たな1臓器以上の臓器障害が認められる
  • EAA(Endotoxin Activity Assay)値0.6以上のエンドトキシン血症
  • 多臓器障害スコア(MODS;Multi Organ Dysfunction Score)10以上(中間解析後に追加された基準)
[主要評価項目]
28日後死亡率
[副次評価項目]
28日までの生存期間、3日間の臓器機能の改善、3日間の平均動脈圧の変化、3日間の昇圧剤
投与量スコアの変化、人工呼吸器フリーデー、RRTフリーデーなど
[主な結果]
  • 450例が登録基準に合致しランダム化された(ITT population)。うちMODS>9の患者は294例であった。予定していた2回の治療を完了した患者は375例であった(Per Protocol population)。うちMODS>9の患者は245例であった。
  • 28日後死亡率は、ITT population全体ではPMX群37.7%、比較群34.5%、うちMODS>9の患者ではPMX群44.5%、比較群43.9%であった。PerProtocol(PP)population全体では、PMX群28.9%、比較群29.2%、うちMODS>9の患者ではPMX群33.0%、比較群36.4%であり、いずれも有意差は無かった。
  • 平均動脈圧の上昇(ベースラインから72時間)はPMX群が比較群よりも有意に高い結果であり、例えば、ITT全症例ではPMX群:9.4mmHg vs 比較群:4.1mmHg,(p<0.005)、MODS>9の患者群ではPMX群:8.1mmHg vs 比較群:3.9mmHg,(p=0.02)であった。また、MODS>9の患者群の人工呼吸器フリーデーはPMX群:12.7日 vs シャム群:9.8日(p=0.02)であり、PMX群のほうが有意に長かった。
  • 全体で264の重篤な有害事象があり、PMX群での頻度は65.1%、シャム群での頻度は57.3%であった。最も多い重篤な有害事象は敗血症の悪化(PMX群:10.8% vs シャム群:9.1%)、敗血症性ショックの悪化(PMX群:6.6% vs シャム群:7.7%)であった。
  • サブグループ解析の結果、EAA値0.6-0.89の範囲の患者194例(modified PP)の群においてPMXの高い効果が認められ、28日後死亡率は、PMX群26.1%、比較群36.8%であった。ベースラインの平均動脈圧およびAPACHEⅡスコアで調整したロジスティック回帰分析により、群間の有意差が認められた。
[論文]
“The EUPHRATES trial (Evaluating the Use of Polymyxin B Hemoperfusion in a Randomized controlled trial of Adults Treated for Endotoxemia and Septic shock): study protocol for a randomized controlled trial.” Klein DJ et al. Trials (2016) 15:218 PubMed
“Effect of Targeted Polymyxin B Hemoperfusion on 28-Day Mortality in Patients With Septic Shock and Elevated Endotoxin Level -The EUPHRATES Randomized Clinical Trial-” Dellinger RP et al. JAMA (2018) 320:1455-63 PubMed
"Polymyxin B hemoperfusion in endotoxemic septic shock patients without extreme endotoxemia: a post hoc analysis of the EUPHRATES trial.“ Klein DJ et al. Intensive Care Med (2018) 44:2205-12 PubMed

JSEPTIC
DIC
Study

観察研究
JSEPTIC DIC Study
資料請求先
[試験デザイン]
国内のICU42施設が参加して集積された敗血症患者レジストリー「JSEPTIC DIC study」データを解析した後ろ向き観察研究。傾向スコアマッチングにより患者背景を調整して、PMX施行有無による患者転帰を比較。
[対象患者]
ICU入室日に昇圧剤を投与された心血管SOFAスコア3点以上の敗血症性ショック患者
[主要評価項目]
院内死亡率
[副次評価項目]
ICU死亡率およびICU-free days
[主な結果]
  • 1,723例が登録基準に合致し、解析対象となった。このうち、PMXを施行された患者は522例、施行されなかった患者は1201例であり、傾向スコア(PS)マッチングの結果、各群262例のペアが作成された。
  • PSマッチング後の院内死亡率はPMX群32.8%(86/262)、非PMX群41.2% (108/262)(オッズ比0.681; 95% CI: 0.470–0.987)とPMX群が有意に低かった (p=0.042)。
  • また、マッチング後の各群の入室後28日間のICU-free daysは、PMX群18日(0-22)、非PMX群14日(0-22)(中央値(四分位範囲))(P=0.045)と、PMX群が有意に多かった(P=0.045)。
  • マッチング後のICU死亡率は、PMX群21.8%、非PMX群24.4%(オッズ比0.844; 95% CI: 0.548–1.300)で有意差はなかった(p=0.443)。
[論文]
“Potential survival benefit of polymyxin B hemoperfusion in patients with septic shock: a propensity-matched cohort study.” Nakamura Y et al. Crit Care (2017) 21:134 PubMed

DPC data
analysis

観察研究
[試験デザイン]
DPCデータを用いた後ろ向き観察研究。傾向スコアマッチングにより、患者背景を調整して、PMX施行有無による患者転帰を比較
[対象患者]
敗血症の病名で、ICUにおいてCRRT治療を開始し、CRRT施行開始同日にノルアドレナリンまたはドパミンを投与された18歳以上の患者
[主要評価項目]
28日後死亡率
[副次評価項目]
生存患者におけるCRRT施行、昇圧剤投与の期間
[主な結果]
  • 3759例(PMX施行群1068例、非施行群2691例)が選択基準に合致し、解析対象となった。傾向スコア(PS)マッチングの結果、各群978例のペアが作成された。
  • PSマッチング後のPMX群の28日死亡率は40.2%(393/978)、非施行群は46.8%(458/978)であり、PMX施行群が有意に低かった(p=0.003)。
  • マッチング後の1956例を用いたのロジスティック回帰分析の結果、交絡因子調整前、調整後ともに、PMXの施行は28日死亡率の低下と有意に関連していた。(調整前オッズ比 0.76; 95% CI 0.64–0.91, 調整後オッズ比 0.75; 95% CI 0.62–0.91)。
  • PMX施行本数で層別化したサブ解析では、2本施行患者の28日死亡率は35.7%(124/347)、1本施行患者は42.6%(269/631)であり、2本施行患者においてさらに死亡率が低かった。
  • 生存患者におけるCRRT施行日数および昇圧剤投与日数には、群間の有意差はなかった。
[論文]
“Potential Survival Benefit of Polymyxin B Hemoperfusion in Septic Shock Patients on Continuous Renal Replacement Therapy: A Propensity-Matched Analysis.” Iwagami M et al. Blood Purif (2016) 42:9-17 PubMed

ABDO-MIX
Study

RCT
[実施施設]
フランスのICU 18施設
[試験デザイン]
前向き多施設共同無作為化割付試験
  • 比較群:通常治療を実施
  • PMX群:通常治療に加え、2時間2回のPMX治療を実施
[対象患者]
腹膜炎による緊急手術を受けた敗血症性ショック患者
[主要評価項目]
28日後死亡率
[副次評価項目]
7,14,21,90日後の死亡率、3日間のSOFAスコアの変化、有害事象、カテコラミン離脱までの日数、体外循環に由来する有害事象など
[主な結果]
  • 938例の患者がスクリーニングされ、243例がランダム化された。患者同意の撤回等で11例が除外され、最終的にPMX群119例、コントロール群113例が解析対象となった。
  • 28日後死亡率は、PMX群33/119(27.7%)、コントロール群22/113(19.5%)であり、有意差は無かった。(p=0.14)
  • 副次評価項目である、3,7,14,90日後死亡率、SOFAスコアの変化にも群間差はなかった。有害事象の頻度も、群間で有意差はなかった。
  • PMX群119例のうち、3例は1本目を完了できず、12例は2本目を施行できなかった。220回のPMX施行のうち、25回(11%)で施行を完遂できず、主な理由は回路凝固であった。2回のPMX治療を完遂できた患者は81/119(69.8%)であった。
[論文]
“Early use of polymyxin B hemoperfusion in patients with septic shock due to
peritonitis: a multicenter randomized control trial.” Payen DM et al.
Intensive Care Med (2015) 41:975-84 PubMed
[関連論文]
“Polymyxin B hemoperfusion in septic shock: just look at the evidence!” Antonelli M et al. Intensive Care Med (2015) 41:1731-2 PubMed

EUPHAS
Study

RCT
EUPHAS Study
資料請求先
[実施施設]
イタリアの主要病院 10施設
[試験デザイン]
前向き多施設共同無作為化割付試験
  • 通常療法群:SSCガイドラインに準拠した標準治療を実施
  • PMX群:標準治療に加え、2時間2回のPMX治療を実施
[対象患者]
腹部感染による重症敗血症または敗血症性ショックにより緊急手術を受けた患者
[主要評価項目]
72時間後の平均動脈圧および昇圧剤投与量の変化
[副次評価項目]
PaO2/FiO2比の変化、臓器障害スコア(SOFA)の変化、28日後死亡率、院内死亡率など
[主な結果]
  • PMX群34例、通常療法群30例が登録された。
  • 72時間後、PMX使用群では平均動脈圧が上昇し、Inotropic Score(昇圧剤投与量のスコア)が減少し、PaO2/FiO2比が上昇した。これらの有意な変化は、通常療法群では見られなかった。
  • 28日後死亡率は、PMX使用群で11/34(32%)、通常療法群で16/30(53%)、院内死亡率は、PMX使用群で14/30(41%)、通常療法群で20/30(67%)であった。治療開始前から72時間後のSOFAスコアの変化を群間評価したところ、PMX治療群でより低下していた(p<0.001)。
[論文]
“Early Use of Polymyxin B Hemoperfusion in Abdominal Septic Shock.” Cruz DN et al. JAMA(2009)301:2445-52 PubMed